地山補強土「パンウォール工法」2019年3月29日時点

地山補強土「パンウォール工法」

技術の概要

①何について何をする技術なのか?
地山を垂直勾配で掘削し、プレキャストコンクリートパネル(以下「パネル」という。)と補強材で掘削面を補強し、本設の垂直勾配の地山補強土を構築する技術である。
本技術は、表面工としてパネル(標準:H=1.2m×W=1.8m)を使用し、補強材(特殊加工した異形棒鋼:2m~10m程度)を地山に挿入することで切土法面(地山)および不安定化した掘削面の崩壊を防止する。
施工方法は、上から順に構造物を構築する「逆巻き施工」を基本としている。
掘削面上部の土塊をパネルと補強材で安定させているため、その下部の掘削面の安定が確保できる。

②従来はどのような技術で対応していたのか?
逆T型擁壁+仮設土留め工
擁壁設置箇所の背面を安定勾配(1:0.5程度)で掘削し仮設法面を設ける、もしくは仮設土留めを設けてから擁壁を施工する技術である。

③公共工事のどこに適用できるのか?
・ 道路拡幅工事
・ 道路新設工事
・ 急傾斜地崩壊対策工事
・ 擁壁改修工事
・ 災害復旧工事 など

この技術の登録情報について

副題 垂直壁を構築する地山補強土工法
登録機関(過去に登録された機関も含みます) NETIS
NETIS登録番号 CB-170019-A
登録区分 工法
工種分類 共通工(アンカー工ー鉄筋挿入工),共通工(法面工ー地山補強工)
ICT技術の該当
開発年 2013年

技術の特徴

①どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)
基本段(最初に施工する段)の補強材には、基本段のパネルと
裏込め材の重量に加えて次段パネルの重量が作用するため、
次段掘削後にパネルが沈下する懸念がある。

パネルの沈下対策として、基本段のパネル背面に基段補助杭を設置し、
かかる重量を分散することによりパネルの沈下を防止できたため、
次段を垂直勾配で掘削することが可能となった。

それにより、従来技術で必要な仮設法面や仮設土留めを無しで
本設の垂直壁を構築できるようになった。


②期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)
・ 改変面積が最小限で済み、森林・緑地など施工箇所の環境に与える影響が少ない。
・ 道路の谷側拡幅工事や路肩崩壊などの災害復旧工事において、
交通規制が最小限で施工できる。

・ 表面工のパネルはプレキャスト製品のため、工期短縮・省力化、
また、品質に優れているとともに、表面のデザイン(擬岩模様)は景観に配慮している。

・ 逆巻き施工を標準とするため、高所作業が削減され、安全性が高い。




技術の適用条件・適用範囲

①自然条件
特になし。

②現場条件
削孔重機用足場として、土足場もしくは仮設足場が必要(W=4m以上)。

③技術提供可能地域
日本全国。

④関係法令等
特になし。


①適用可能な範囲

・ 適用可能な想定崩壊規模 : 小規模~中規模程度の崩壊に対して適用が可能である。
・ 適用地盤 : 地山補強土が適用できる地盤
例 : 硬岩、軟岩、砂礫、砂質土、粘性土などの自然地盤、

・ 適用高さ : 原則最大20m
ただし、壁高20mを超えるものについては、検討により安全性の確保ができれば
施工することが可能である。


②特に効果の高い適用範囲
・ 計画壁面の上部背面に建物・埋設管・道路・境界等があり、
構造物掘削ができない箇所。

・ 一般的な擁壁や切土では、長大法面となる箇所。

③適用できない範囲
・ 地すべり等の大規模崩壊の対策には適用できない。。
・ 周面摩擦抵抗の発揮が困難な軟弱地盤や粘性土地山、粘着力しか期待できない
比較的軟らかい粘性土が均一に分布する地山、化学的性質に問題がある地盤は、
検討により安全性を確認する必要がある。


④適用にあたり、関係する基準およびその引用元
・ 表面工にプレキャストコンクリート板を用いた地山補強土工法(PAN WALL工法)に
関する技術評価報告書、(公社)土木学会、平成25年11月

・ 道路土工-切土工・斜面安定工指針、(社)日本道路協会、平成21年6月
・ 切土補強土工法設計・施工要領、東日本・中日本・西日本高速道路株式会社、
平成19年1月

・ 地山補強土工法設計・施工マニュアル、(公社)地盤工学会、平成23年8月
・ 2012年制定 コンクリート標準示方書 施工編、(公社)土木学会、平成25年3月
・ 2012年制定 コンクリート標準示方書 設計編、(公社)土木学会、平成25年3月

施工方法について

【基本段(1段目)の施工】
A 掘削工・法面整形工・据付コンクリート工
B 基段補助杭設置工・パネル設置工
C 裏込めコンクリート工・削孔工・定着材工・補強材(芯材)工・
頭部定着工・キャップ工

【次段(2段目)以降の施工サイクル】
(1) 掘削工・法面整形工・背面排水工
(2) パネル設置工
(3) 削孔工・定着材工・補強材(芯材)工
(4) 裏込め工・頭部定着工・キャップ工

(1)→(4)を繰り返して必要段数の施工を行う。

(5)天端コンクリート工・埋戻しコンクリート工

詳しくは、表面工にプレキャストコンクリート板を用いた地山補強土工法
(PAN WALL工法)に関する技術評価報告書のうち、
「PAN WALL工法 設計・施工指針」を参照すること。









その他の情報

①設計時
詳細設計に際しては、地盤定数(N値、粘着力C、内部摩擦角φ、単位体積重量γ)が
必要である。
その他の条件や安定性の検討などについては、
表面工にプレキャストコンクリート板を用いた地山補強土工法(PAN WALL工法)に
関する技術評価報告書のうち、「PAN WALL工法 設計・施工指針」に準ずる。


②施工時
施工は、PAN WALL工法協会が指定する技術講習を修了した者が行う。
確認試験(補強材が引き抜けないことの確認)を行う。
施工方法や試験方法については、表面工にプレキャストコンクリート板を用いた
地山補強土工法(PAN WALL工法)に関する技術評価報告書のうち、
「PAN WALL工法 設計・施工指針」に準ずる。


③維持管理等
構築された補強土(垂直壁)がその機能を十分に果たしているかどうかを確認するため、
定期的に目視による点検を行うものとする。

補強土(垂直壁)や周辺に変状が見られた場合には、必要に応じて補強材の
増し打ちなど適切な対策を講じる。


④その他
その他詳細については、「表面工にプレキャストコンクリート板を用いた地山補強土工法(PAN WALL工法)に関する技術評価報告書」、(公社)土木学会、平成25年11月
(土木学会 技術推進ライブラリーNO.14)を参照すること。

この技術を提供する会社の連絡先情報

会社名 パンウォール工法協会
担当者 西尾信行、山根茉莉子
郵便番号 461-0004
住所 愛知県名古屋市東区葵3-19-7
電話番号 052-979-8807
サイトURL http://www.panwall.jp

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