技術の特徴
①どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)
・人力吹付作業から機械による自動吹付に変え、左官工による粗均し作業から機械による自動均しに変えた。
②期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)
・人力吹付作業、左官粗均し作業を機械による自動化により、吹付けた材料の品質が向上し、粗均しまでの作業も軽減されたことで、時間経過による生産性低下しない。
・総勢15名(世話役1名、特殊作業員5名、普通作業員4名、左官工5名)から7名(世話役1名、特殊作業員3名、普通作業員2名、左官工1名)編成になり、省人化されかつ左官工の専門技術者は5名から1名になることから、左官工の高齢化・担い手不足による労働力不足を解消できる。また、省人化により付随する宿泊費等のランニングコスト縮減が図られる。
・日当り施工量が115㎡から130㎡になり、生産性が向上した。
・従来技術での人力による材料吹付のロス率18%(土地改良工事積算基準土木工事平成29年度版より)であるが、機械吹付けによって、飛散、余盛がなく8%(自社歩掛)に抑制したことでコスト低減が可能である。
③その他
建設業界での専門業種は年々高齢化・担い手不足により、各技能者が減少しており、近年農業関係の自給率アップを国策としても行うことからして、既存インフラ整備の早期実現を目指してきており、関連する農業用水路の整備も増えてきております。当社では、農業用水路の補修工事を施工する上で、特に左官工事は必須な工種であり労働力確保に苦慮した経緯から左官作業の機械化による人手不足解消を目的として開発しました。
技術の適用条件・適用範囲
①自然条件
雨天の影響を受ける、5℃以上の作業環境
②現場条件
アシスト機の設置スペース0.8㎡以上、機械の大きさ1.2m×0.5m×高さ2.0m(最大4.5m)
コンクリート製用排水路側壁
③技術提供可能地域
技術提供地域については制限なし
④関係法令等
特になし
①適用可能な範囲
農業用水路の開水路(コンクリート製・L型ブロック製)の壁面補修
②特に効果の高い適用範囲
壁面高さが高いほど施工効率はアップする。 下限1m~上限4m(実施工高さ)
③適用できない範囲
壁面傾斜20度を超える部位、曲面または突起、張出部の密集箇所、水中部、平面部
④適用にあたり、関係する基準およびその引用元
・コンクリート標準示方書「施工編」
・平成29年度版北海道開発局農業土木工事仕様書
施工方法について
1.施工面の現状確認
・コンクリート面の清掃し固着物を除去し母材面の劣化・損傷度合いを確認する。
・劣化状況の豆板、欠損、ひび割れ、漏水等があれば、母材の損傷箇所を補修する。
2.吹付け機の組立設置・稼働
・吹付施工面と吹付けガンの離れを500mm確保し設置する。
・各ホース等接続語、操作盤等の安全を確認し、動作確認を実施し吹付け開始地点へセットする。
・吹付け材料が吹付けガンから吐出しと同時にエアーを絡ませ自動運転を開始する。(吹付け量、吹付け状態を確認し、吹付け不足にならないよう注意する)
・施工面の吹付け施工完了後、次施工箇所へ移動し、前吹付け面と5cm程度重なる位置で次の吹付け開始位置としてセットし、連続施工を実施していく。(下から左右へ吹付けしながら上昇し、上昇後段違いで下へ左右吹付けしながら施工する、上下1往復吹付け動作)
3.吹付け機の施工後の処置
・吹付け機を次施工箇所へ移動後、吹付け終了面の表面被覆材のドライアウト(急激な水分逸散、均し不具合)防止のため、被膜養生材をローラー、噴霧器等で塗布する。
4.均し機の組立設置・稼働
・均し機の組立後、各操作盤の接続を実施し、安全を含めた動作確認を実施する。
・施工面と均し機のフレームが平行となるよう中央レンチで均し厚さまでを調整設置する。(施工準備)
・施工箇所へ移動し均しブレード、押えブレードの吹付け施工後の面の接地位置を決め、自動均し機をスタートさせ、均し施工を実施する。(下から上へ1回の均し動作)
・この時点で、機械による均し作業は、人作業による完成仕上げ面の80~90%の仕上げ状態となっている。
5.表面仕上げ
・施工面の均し施工完了後、次施工箇所へ移動し、再度被膜養生材を塗布し、人力での金ゴテによる表面仕上げ作業を行い完成させる。
その他の情報
①設計時
特になし
②施工時
既設水路コンクリートに付着している藻等の除去、劣化した脆弱部位の除去、ひび割れ・漏水等の事前補修を実施する。
③維持管理等
施工前の動作確認、施工後の清掃整備・動作確認等
④その他
特になし
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