アルカリ性土壌用植生マット工法「リトマスマット ブルー工」2024年4月22日時点

アルカリ性土壌用植生マット工法「リトマスマット ブルー工」

技術の概要

①何について何をする技術なのか?
アルカリ土壌において、中和剤と微生物資材を用いて緑化する技術である。

②従来はどのような技術で対応していたのか?
植生基材吹付工で対応してきた。

③公共工事のどこに適応できるのか?
植生の成立が困難な法面の緑化工事。

この技術の登録情報について

副題 軟弱な盛土材をセメント系固化材を用いて造成され、土壌pHが高く土壌硬度が高い固化土壌法面において、旺盛な緑化を可能とした工法
登録機関(過去に登録された機関も含みます) 国土交通省 東北技術事務所
NETIS登録番号 TH-220007-A
登録区分 工法
工種分類 共通工(植生ネット工),環境対策工(景観対策工),砂防工(山腹工)
ICT技術の該当
開発年 2018年
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技術の特徴

①どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)
・従来工法に新たにリン酸塩を主成分とした中和剤を配合した。
・従来工法に新たに微生物資材を加えた。
・以上の中和剤と微生物資材を混合して充填した土壌改良袋を、工場において20 cmピッチで植生マットに装着させた。
・専用機械を用いた吹付ける方法から、植生マットを張付ける方法に変えた。
 
②期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)
・中和速度が緩やかなリン酸塩を使用し、その中和効果によって植物の個体数が増し法面は多数の植物で覆われるので、環境が向上する。
・微生物資材には共生菌である放線菌を多く含み、菌糸を土壌中に広く伸ばし水分や養分吸収の補助をし、緑化植物の成長量が増すので、環境が向上する。
・本植生マットを張付けるだけで、吹付工を省略でき2工程となり、工程の短縮ができる(50 %短縮)。
・現場で専用機械を使用しないので専門技能員を必要とせず、コスト縮減ができる(25 %縮減)。
・空気圧縮機や発電機等の専用機械を必要としないので、騒音や粉塵が無い。さらに現場でのCO2の排出が無いため、環境が向上する。
・植生マットを使用するので、現場での管理項目は従来技術で8項目であったが、新技術では3項目となり施工性が向上する。
・植生マットを使用するので、施工は①法面清掃工、②植生マット張付け工の2工程で済み施工性が向上する。
・植生マットを張付けることによって、降雨強度100 mm/hでも従来に比べて侵食防止品質が13倍向上する。

技術の適用条件・適用範囲

①自然条件
・温量指数で23以上の箇所(森林限界まで)
 
②現場条件
・セメント系固化材を用いて改良された盛土法面
・土壌pH:9.0以下のアルカリ土壌
 
③技術提供可能地域
・制限無し
 
④関係法令など
・特になし




①適応可能な範囲
・土壌pH:9.0以下のアルカリ土壌
 
②特に効果の高い適応範囲
・災害地では復旧を急ぐ必要があり、セメント系固化材を用い緊急性の高い場合が多い。本技術はセメント系固化材を用いた盛土において緑化品質が確保できる技術なので、特に効果が高い。
 
③適応できない範囲
・8分より急勾配な法面
・土壌pHが9.0を超えるアルカリ土壌
・酸性土壌
・土壌硬度が27 mmを超える土砂、もしくは岩盤(岩砕ズリを含む)
 
④適応にあたり、関係する基準およびその引用元
・「道路土工―切土工・斜面安定工指針(平成21年度版)」社団法人日本道路協会

施工方法について

①法面清掃工
・法面の雑草木・浮土砂・浮石などを除去し、マットが密着するよう清掃を行う。

②張付け工
・法肩部を10 cm程度巻き込み、種子・肥料が付着している面を法面へ密着するように展開する。
・横の重ね幅は2 cm程度、縦の重ね幅は10 cm程度とし、土壌改良袋を等高線状にする。
・所定本数の止め釘(L=150 mm)を規定の間隔(縦40 cm、横50 cmピッチ)、箇所に打ち込み密着させ、法面へマットを固定する。

③完成

その他の情報

①設計時
以下の条件にあった箇所に工法を選定する。
・8分勾配までの法面
・土壌硬度が27 mmまでの土砂法面
・法面が安定している事(土羽打ちできない岩砕ズリを除く)
 
②施工時
・土壌改良袋は、等高線状に配置する。
・降雨時の施工は避ける。
・作業にあたっては、保護具(防塵マスク、保護メガネなど)を着用する。
 
③維持管理等
・特になし
 
④その他
・法面に湧水のある場合は排水工など適切な処理を行う。
・製品の保管は日陰で風通しの良い乾燥した場所とする。
・使用期限は、梱包に記載した製造日より1年とする。

この技術を提供する会社の連絡先情報

会社名 日本植生株式会社
担当者 戸来義仁
郵便番号 708-8652
住所 岡山県津山市高尾573-1
電話番号 0868-28-0460
FAX番号 0868-28-4850
サイトURL http://www.nihon-shokusei.co.jp/

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