e-pile next工法2024年8月2日時点

e-pile next工法

技術の概要

①何について何をする技術なのか?
・先端に拡翼を取付けた鋼管に、同径鋼管やテーパー管を用いた拡頭鋼管を接続しながら回転貫入をする鋼管杭工法である。

②従来はどのような技術で対応していたのか?
・プレボーリング杭工法(PHC杭工法)

③公共工事のどこに適用できるのか?
・土木構造物全般の基礎補強

④その他
・本工法は、平成27年4月に(一財)日本建築センターの性能評価を受け、平成27年6月に国土交通省大臣認定を取得している。平成27年8月には、(一財)日本建築センターの引抜き方向の基礎評定を取得している。
・拡翼を取付けた先端に菱形切削穴を設けた開放型であるため、杭内部への排土機構が優れ支持地盤への貫入性が向上した。
・先端拡翼の効果により大きな支持力・引抜き力が得られた。また、テーパー管を用いた拡頭構造により水平抵抗に対する効果も増大し杭本数を削減できる。
・回転貫入する工法であるため、セメントミルク等を使用する事なく、現地及び周辺土壌への影響もない。また、低振動・低騒音で廃残土・廃泥水も発生しないことから環境対策が加わった工法である。
・施工機械、設備がコンパクトである事から、従来技術より狭隘地での施工が可能である。最小施工広さ 6.0m×6.0m 最小施工高さ 2.0m
・逆回転で引抜く事が可能であるため、仮設構造物等にも対応できる。引抜いた杭は再利用による再打設、スクラップによるリサイクルが可能である事から、環境負荷の少ない技術である。
・従来工法では、残土処理が必要な他、セメントミルクをを使用していた事で、周辺土壌への影響が懸念されていた。また、大型杭打ち機やプラント設備が必要である為、市街地での近隣対策など、多数の課題があった為、プレボーリング杭工法(PHC杭工法)を対象とした。

この技術の登録情報について

副題 支持層に不陸・傾斜を有する場合でも確実な施工ができる鋼管杭基礎
登録機関(過去に登録された機関も含みます) NETIS
NETIS登録番号 KT-160071-A
登録区分 工法
工種分類 基礎工,建築,共通工,河川維持,付属施設
ICT技術の該当
開発年 2015年
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技術の特徴

①どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)
・プレボーリングをしてセメントミルク等を使用する既製コンクリート杭から、杭先端に軸径の1.4倍~3.1倍の拡翼を取付けた鋼管に、同径鋼管やテーパー管を用いた拡頭鋼管を接続しながら先端拡翼を回転貫入をする無排土鋼管杭に変えた。
・使用設備を大型杭打ち機及びプラント設備から鋼管専用機によるコンパクト設備に変えた。

②期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)
・回転貫入方式にした事により無排土施工となるので残土処理が不要なことから経済性の向上が図れます。
・先端に拡翼を取付けた事により大きな支持力が期待できるので杭本数が削減され経済性の向上が図れます。
・テーパー管を用いた拡頭構造にした事により、水平抵抗に対する効果も増大し杭本数が削減され経済性の向上が図れます。
・コンパクト設備に変えた事で低騒音・低振動での施工が可能となる他、作業環境の向上が図れます。
・回転貫入方式にした事によりセメントミルクが不要となるので周辺環境への影響が抑制されます。
・回転貫入方式にした事によりJIS汎用品によるスム-ズな調達となる事から工程の短縮が図れます。
・鋼管杭に変えた事により軸材がJIS汎用品となり支持層傾斜・不陸による継ぎ杭、切断が容易となるので工程の短縮及び品質の向上が図れます。
・回転貫入方式にした事により高さのある大型機械・設備が不要となるので安全性の向上が図れます。
・コンパクト設備にした事で、狭隘地での施工が可能となるため、施工性の向上が図れます。

技術の適用条件・適用範囲

①自然条件
・特になし

②現場条件
・陸地、場内、構内、仮設構台等で施工可能
・上空制限2.0m以上
・6m×6m=36m2

③技術提供可能地域
・技術提供範囲については制限なし

④関係法令等
・特になし


①適用可能な範囲
・杭軸径:φ48.6㎜以内~φ508.0㎜以内
・拡翼径:Dw100㎜以内~Dw1250㎜以内
・拡頭管:φ139.8㎜以内~φ812.8㎜以内
・支持層:砂質(礫質地盤含む)、粘土質地盤
・最大施工深さ:砂質土・礫質土 杭径の130倍以内かつ61.5m以内
・最大施工深さ:粘土質地盤 杭径の130倍以内かつ41.0m以内
・各階の床面積の合計が500,000m2以内 ※大臣認定範囲

②特に効果の高い適用範囲
・敷地高低差や上空制限がある場合。
・狭隘地や狭小路の場合。
・繁華街や住宅密集地の場合。
・周囲に河川や水路が有る場合。
・地下水位が高くみず道を有する場合。
・撤去予定のある場合。

③適用できない範囲
・杭軸径:φ48.6㎜未満~φ508.0㎜を超える
・拡翼径:Dw100㎜未満~Dw1250㎜を超える
・拡頭管:φ139.8㎜未満~φ812.8㎜を超える
・最大施工深さ、杭径の130倍を超える場合(粘土質地盤:杭径の130倍かつ41.0m)

④適用に関係する基準およびその引用元
・道路橋示方書・同解説Ⅳ 下部構造編 2012年3月 (社)日本道路協会 12章杭基礎の設計 P377~P456
・杭基礎設計便覧 2007年1月 (社)日本道路協会 Ⅲ.設計 P107~P339

施工方法について

①建て込み
杭を吊り込み、杭芯に合わせてセットする。このとき逃げ杭芯よりセット位置を確認する。
※吊り込み時には、近接物に杭が接触しないようロープ等で尻手を取り杭が振れるのを防止する。

②固定
杭先端を杭芯にセット完了後、振れ止め装置等で固定する。このとき下げ振りや水平器等で2方向より鉛直を確認する。

③回転貫入
表層のガラ等で杭位置が動かぬ様に正転・逆転で、反復回転埋設し、0.5~1.0mほど貫入したら正転で回転させ、
杭先端翼部の掘進力で杭を埋設する。なお、杭の掘進が困難な中間層がある場合については先行掘用オーガにて当該中間層を抜き確実に所定の支持層に到達させる。

④杭の接続 有・無
(有りの場合)
1本目のくいが埋設完了したら、2本目以降は溶接にて接続し、継続して順次回転埋設させる。
溶接部には裏当て金具を用いて2層以上溶接を行う。
※上杭の吊り込みも下杭同様の手順で杭が振れるのを防止する事とする。
(無しの場合)
完了

⑤打設完了
ヤットコを用いて所定の深度まで回転貫入させ、管理基準値を満たしている事を確認して回転貫入を完了する。

その他の情報

①設計時
・杭軸径、拡翼径、拡頭径、板厚、材質等の標準仕様を設定し、設計内容に適した仕様を選択する。
・許容支持力の算定には、標準貫入試験を用いる。
・腐食しろを1mm考慮する事。

②施工時
・e-pile nextの施工は、e-pile next施工技術委員会が指定した指定施工会社が行う。
・吊り込み時には、近接物に杭が接触しないようロープ等で尻手をとり杭が振れるのを防止する。
・杭の打止め管理値は、現位置地盤調査地点に最も近い位置にて行う試験杭から得られた管理値により決定する。
・杭の打止めは、所定の管理値を満たした時点、或いは一回転当たりの貫入量が拡翼勾配の15%以下で回転トルク値の変化が確認出来ない場合とする。
・施工時に支持地盤の不陸・傾斜が生じた場合には原則、継ぎ杭・切断により所定の管理値を満たすまで打設作業を行う。
・中間層に礫質土等がある場合に於いては、先行掘削用オーガ(ロックオーガ含む)にて当該中間層を打ち抜く場合があります。

③維持管理等
・特になし

④その他

この技術を提供する会社の連絡先情報

会社名 株式会社東部
担当者 松本新
郵便番号 252-0134
住所 神奈川県相模原市緑区下九沢1507-5
電話番号 042-762-4739
サイトURL https://www.e-pile.com/

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