クイックデッキ2024年3月29日時点 アーカイブ

クイックデッキ

技術の概要

①何について何をする技術なのか?
橋梁桁下、建築物の天井下などに仮設の作業フロアを構築する技術

②従来はどのような技術で対応していたのか?
パイプ吊足場

③公共工事のどこに適用できるのか?
・鋼橋・コンクリート橋 新設・補修補強工
・各種営繕工事

この技術の登録情報について

副題 長大なチェーンピッチと無隙間無段差のフロアで快適な作業空間を提供する床先行施工型の安全性の高いシステム型吊足場の技術
登録機関(過去に登録された機関も含みます) NETIS
NETIS登録番号 TH-150007-VE
登録区分 製品
工種分類 仮設工(足場支保工―足場工),建築(耐震・免震・制震工事),橋梁上部工(鋼橋架設工―仮設工),道路維持修繕工(橋梁補修補強工―表面保護工),機械設備(水門設備―河川用水門設備)
ICT技術の該当
開発年 2013年
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技術の特徴

①どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)
 ・従来の吊足場用チェーンの10倍以上の強度を有する高強度チェーンを採用した。
 ・ジョイスト(主梁)にトラスフレーム構造を採用した。
 ・各パーツは差し込みピンで固定するなど、システム化をした。
 ・専用のL型幅木と専用手摺もシステムに組み込まれ、ワンタッチでの取付方法を採用した。
 ・専用の内部脱着式採光防音防護工システム(クイックパネライト)を採用した。
 ・専用の軽量部材を採用した。
 
②期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)
 ・高強度チェーンの採用により、最大吊チェーンピッチ5mを実現。チェーンが少ない為内部作業効率が向上。吊元の後作業(塗装工事などの吊元の補修など)が激減。
 ・トラスフレーム構造の採用により、吊元から最大5mの跳ね出し床を実現。
 ・跳ね出して作業床が先行して構築できる為、足場からの身を乗り出しての組立解体作業が皆無になり、組立時の安全性が向上。
 ・システム化により専用工具が不要となり、熟練工でなくても確実に安全な吊足場の組立が可能となった。
 ・100㎡程度のユニットであれば、特別な補強なしで4点吊りでのユニット吊り上げを可能とした。
 ・大規模なユニット吊り上げが可能になった事により、高所作業自体の削減を図り工期の短縮が可能となった。
 ・従来技術では床段差があり、つまずきなどの事故の恐れがあったものが解消できる。足場完成後に行う開口部の養生作業が不要となり、幅木・手摺の取り付けも簡便になり安全性の向上と工数削減につながる。
 ・専用の内部脱着式採光防音防護工システム(クイックパネライト)を採用することで、安全に防護工作業ができ、採光・防音・換気に掛かる作業工数の削減が図れる。
 ・専用の内部脱着式採光防音防護工システム(クイックパネライト)を採用することで、従来生じていた木などの廃材が無くなりコスト削減・環境対策が図れる。
 ・専用の軽量部材を採用することで、積載荷重200kg/㎡以下の吊足場を構築する際、組み立て工数が削減でき、施工性の向上が図れる。
 ・経済性は約1%の低下となるが、工程は約53%の短縮となるため、生産性の向上が図れる。(150日使用/1,000㎡)

技術の適用条件・適用範囲

①自然条件
・従来技術と同等
 
②現場条件
・吊りチェーンの取り付け元を設置することが可能な桁であること
・取り付け元のピッチが最大5mまでの範囲でとれること
・架設面積1000㎡分の資材置き場として約15~20㎡を要す
 
③技術提供可能地域
全国
 
④関係法令等
労働安全衛生法第10章第88条(計画の届け出等)
同上 第568条(つり足場の点検) 第574条(つり足場) 第575条(作業禁止)


①適用可能な範囲
・積載荷重が許容積載荷重以内であること。(吊りチェーン間隔2.5m×2.5mの場合2,187kg/スパン、吊りチェーン間隔5m×5mの場合437kg/スパン ~
1スパンは2.5m×2.5m=6.25㎡)
 
②特に効果の高い適用範囲
・橋梁補修補強工用吊り足場の主体足場。(足場組立完了後、コンパネとシートで床養生が必要となる橋梁のブラスト塗装工事ではこの作業が簡略化出来る為、特に有効)
・地上高が30mを超える高所作業車が届かない場所や、オーバーハング車や台船が必要とされる現場、交通規制がかけられない現場では床跳ね出し先行型が非常に有効である。(河川上や海上にある橋梁)
・建築工事の、高さ10m以上の吹き抜け部分の天井仕上げ用足場。
 
③適用できない範囲
・積載荷重が許容積載荷重を超える場合。
・コンクリート桁の場合は、足場インサートを取り付けることが不可能である場合。または躯体が引き抜き強度に耐えきれない場合。
・鋼桁の場合は、鉄骨クランプを取り付けられるフランジ、または吊りピース等のない構造である場合。
 
④適用にあたり、関係する基準およびその引用元
・建設業労働災害防止協会「足場の組立て等工事の作業指針」 第4章第8節「つり棚足場」(P158~169)
 

施工方法について

①、スタートプラットフォーム(基礎となるユニット)を構築する。(A:地組したユニットを吊り上げ、B:高所作業者で組み上げ、C:橋台上などから手組 のいずれかの方法による)

②、スタートプラットフォーム上から、主梁(ジョイスト)2本を連結ノードにピンで固定

③、②で取り付けた主梁(ジョイスト)の先端に、連結ノード2個をピンで固定

④、③で取り付けた連結ノード間に主梁(ジョイスト)をはめ込み、ピンを刺して固定

⑤、④で畳まれている状態の主梁(ジョイスト)・連結ノードを、パイプやロープを使って水平に180度水平旋回

⑥、②~④を繰り返し、必要なスパンを組み上げる

⑦、組上がったフレーム全体を⑤で拡げた方向から90度水平旋回させて戻し、ピンを刺して正面に固定

⑧、簡易組立足場を用いて子梁(デッキサポート)を取り付け、孫梁(サポートビーム)も設置

⑨、作業員2名で床材を主梁(ジョイスト)に沿わせ、スライドさせてはめ込む

⑩、⑨で設置した床材の上から孫梁(サポートビーム)と床材をはめ込む

⑪、床材にデッキ固定プレートを被せてボルトで固定し、外周面に手摺・幅木を設置
 
*以後②~⑪を繰り返す
 
施工動画URL:https://youtu.be/UsoqS7nHSOU
 
☆従来技術
 
1、高所作業車で橋桁等にチェーン固定クランプ+チェーンをつける

2、吊チェーンの間に親管を通す

3、親管にころばしをクランプで固定

4、作業通路用に足場板を渡し、番線固定後落下防止用ネット・親綱を張る

5、全面に足場板を敷き番線で固定

6、車線規制を行い、ブリッジチェッカー等で以後1~5を繰り返し足場を伸ばしていく

その他の情報

①設計時
 ・部材の厚さが360mmあるので、下部の離隔の確認を行う事
 
②施工時
 ・送り出し教育を実施すること
 ・身を乗り出す危険な作業がなく、作業床間に隙間ができないので、基本的にネットは不要である
(設置の指導や発注者側から要望があった場合は設置する。)
 ・熟練工が不要になる為、労働安全衛生規則に従い、人や資材の落下防止等の安全管理に十分注意すること
 
③維持管理等
 ・足場供用期間中は始業前点検を行い、異常がある場合は直ちに是正すること
 ・供用期間中は定期的に安全パトロールを行い、異常の有無を点検して異常がある場合は直ちに是正すること
 ・組立完了時、変更時にはクイックデッキ専用点検票を用いて点検し、点検結果を掲示し記録を工事終了まで保管する事
 
④その他
 ・特になし

この技術を提供する会社の連絡先情報

会社名 日綜産業株式会社
部署 広報室
担当者 大久保工
郵便番号 104-0032
住所 東京都中央区八丁堀4-8-2 いちご桜橋ビル6階
電話番号 03-5891-3246
FAX番号 03-6891-3248
サイトURL https://www.nisso-sangyo.co.jp/

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