技術の特徴
どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)1.従来は、削孔反力に対して機械重量で抵抗する方法であったので主にクレーンを使用して
仮設足場の上に削孔機械を設置して施工していたが、当工法では新規にワイヤーと
ウィンチによる張力で架台を縛る方法により削孔反力に対して抵抗させるようにしたので
軽量機械による施工範囲が向上し、同時に仮設足場を不要とした。2.従来は、重量削孔機を移動させる時に足場上でウィンチにより引張り移動したり
足場を組み直したりしていたが、当工法では新規のワイヤーとウィンチによる移動方法により、
重量削孔機でも足場なしに移動できるようになり、小型機で実現できなかったロータリーパーカッション式二重管削孔、削孔径Φ90㎜、削孔長15mという高性能施工が可能となりました。
また、手動ウィンチなどの簡易動力を利用した移動方法に新規性が認められ、特許を取得しました。
本工法は前述の高性能を実現する為に最適な新開発機械を使用して特許移動方法により施工します。②期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)1.従来施工が経済的に困難であった高所施工でも高性能の削孔が可能となるので、
例えば渓流上流部の斜面について、斜面安定施工が可能となります。2.クレーンや足場を必要としないので、木を切らずに施工でき、
二重管削孔など削孔性能も高いので難条件下であっても土質構成を選ばずに削孔できます。3.仮設不要であり、軽量なので施工可能条件が広く、経済性が高いばかりでなく
狭小地・飛び地・高所地・地盤不安定地・樹間施工など大型機が搬入できないが、
高性能施工を要求される全ての場所が有効な施工地となり、活用が大いに期待されます。4.動力部分と削孔部分が分かれており、その長さは数百メートル以上でも
施工可能なので交通規制も最小限で施工ができます。
技術の適用条件・適用範囲
①自然条件
安全上、機械の削孔間移動を不安定とさせるような強風日は施工できない。
安全上、斜面の積雪状態によっては施工できない。
②現場条件
1. 樹間施工の場合は、森林整備必携にある粗植管理に沿って、
樹間3m内の支障木は伐採可能とする場合がある。
2. 法面より前面空間4m以上(削孔機械3.5m)必要。
但し、設計角度調整により施工可能な場合があります。
3. オーバーハング法面は、基本的に不能。
4. 3分勾配からの緩傾斜である事
③技術提供可能地域
技術提供地域については制限無し
④関係法令等
労働基準法、労働安全衛生法、建設業法、労働安全衛生規則/第9章墜落、飛来崩壊等による危険の防止
高さ2m以上の作業では、足場を設置するか困難な場合は、安全帯を使用させる等
墜落による労働者の危険を防止する為の措置を講じなければならない 等々
①適用可能な範囲
施工勾配/3分勾配からの緩傾斜である事
削孔径/Φ115㎜まで
削孔長/20m
②特に効果の高い適用範囲
狭小地・高所地・飛び地・軟弱地盤地・機械搬入困難地等々
③適用できない範囲
施工勾配/3分勾配より急傾斜
削孔径/適用可能な範囲を超えるもの
削孔長/適用可能な範囲を超えるもの
④適用にあたり、関係する基準およびその引用元
治山必携、協会作成の安全施工マニュアル
森林整備必携
施工方法について
その他の情報
※施工においては、無足場アンカー協会の技術委員会がその技量を認め
発行したライセンスを保有する者のみ施工可能とする。
①設計時
1.協会作成の安全施工マニュアルに沿って、現場を視察してワイヤー支持強度がある
樹木及びワイヤー支持強度がとれる設置可能な人工構造物用地、
重力傾斜方向に関する注意点など現地機械設置条件を調査する。
2.樹間施工の場合は、有効木と支障木の間隔やウィンチの搬入可否。
②施工時
1.協会作成の安全施工マニュアルに沿って、現場を視察してワイヤー支持強度がある
樹木及びワイヤー支持強度がとれる設置可能な人工構造物用地、
重力傾斜方向に関する注意点など現地機械設置条件を調査する。
2.樹間施工の場合は、有効木と支障木の間隔やウィンチの搬入可否。
以上、設計時の留意事項の確認
3.ロープ足場の二点取り支持物の確認
4.移動障害物の確認
5.用地外支持物の使用可否確認
6.勾配変化状態
7.移動経路の計画
③維持管理等
施工中は協会作成の安全施工マニュアルに沿って、日々のワイヤーの状態検査
及び使用機械の整備点検など
④その他
地すべりが発生する可能性が高い予防治山的な現場条件の施工が多い為、
勾配変化・出水状況・地割れ・地中空隙の有無・土質構成の変化などを
協会作成の安全施工マニュアルや日誌などに記録し、地山の動態調査による
危険予知及びグラウト逸水などの予測される障害を事前に見つける意識を持って施工する。
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