技術の特徴
①どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)(1)ヒ素、セレン、鉛、カドミウム、フッ素、ホウ素等様々な重金属類に対応することが可能。(2)濃度の異なる複数種の重金属類汚染であっても全ての有害物質に対し有効である。(3)効果発現pH領域が広い。(4)無機系材料であり、有機系材料とは異なり微生物等により分解されることがない。(5)高い吸着能力を有しており少量の使用により有害物質を吸着することが可能。(6)施工には専門性が必要なく、容易で簡便な対策が可能。(7)汚染状態に見合った適正な処理が可能。②期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)■汚染水処理(1)吸着速度が高い為、急速濾過方式での連続処理が可能となり処理装置のコンパクト化が可能となる。(2)凝集沈殿方式のようにスラッジ処理工程を必要としない為、処理工程の短縮につながる。(3)汚染水との接触のみで効果が発現する為、特殊性の高い設備を必要とせず設備費用の削減が可能となる。■汚染土壌・廃棄物処理(1)有害物質を含む汚染土壌や廃棄物を場内で処理することが可能であり、排出・運搬時の有害物質拡散防止が可能となる。(2)収納量が有限である処分場への搬入量をゼロとすることが可能となる。(3)少量の資材使用で処理が可能となる為、資材費用を削減し経済性の向上につながる。(4)複合汚染に対応することが可能である為、複数の薬剤を併用する必要がない。(5)不溶化工法適用時にはセメント系固化材とは異なり化学的な反応である為、養生期間の短縮が可能となる。(6)外的環境に及ぼす影響が小さく、本来の土質を保った処理が可能となる。(7)吸着層工法適用時には全量撹拌・混合の必要が無く、吸着層の敷均しのみとなり工期の短縮が可能となる。(8)吸着層工法適用時には可溶性重金属類を把握することで、必要最小限の使用量となり過剰対策の抑制が可能となる。

技術の適用条件・適用範囲
①自然条件
資材が流出及び散逸する程の強風・大雨等の異常気象時を避ける。
②現場条件
吸着層工法適用時には地下水層以上の場所に吸着層を設置する。吸着層を形成する母体土は粘土のような著しく透水性の低いものは避ける。
③技術提供可能地域
技術提供地域については制限無し
④関係法令等
土壌汚染対策法
水質汚濁防止法
金属などを含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令
環境基本法(環境基準)
①適用可能な範囲
・対象汚染物質
ヒ素、セレン、鉛、カドミウム、フッ素、ホウ素等の重金属類
・適用pH : 2~12
②特に効果の高い適用範囲
・対象汚染物質
ヒ素、セレン、鉛、カドミウム、フッ素、ホウ素
・適用pH : 3~11
③適用できない範囲
水銀、シアン化合物
pH2未満13以上
④適用にあたり、関係する基準およびその引用元
土壌汚染対策法
環境基本法(環境基準)
施工方法について
その他の情報
①設計時
■汚染水処理
対象水の重金属類濃度と水質に関する情報を基に空間速度を決定する。
トリータビリティー試験により実際の汚染水を用いた吸着試験を行い、処理可能水量を求める。
■汚染土壌、廃棄物不溶化処理
対象土壌、廃棄物からの重金属類濃度を測定し、土質や基準値超過度合に応じて適正添加量を設定する。
トリータビリティー試験により実際の汚染土壌、廃棄物を用いた不溶化試験を行い添加量の設定を決定する。
■汚染土壌吸着層処理
対象汚染土壌から可溶性重金属類の把握を行う。溶出基準値を超過している場合は繰り返し溶出試験を行い基準値未満となるまでの溶出量を累積し求める。共存物質の影響などを考慮し、処理対象土を用いた吸着試験を行い、吸着資材の吸着容量値を求め、必要資材量の算出を行う。
吸着層を形成する母体土は有害物質の溶出がなく混合性の良いものを選定する。
②施工時
■汚染水処理
吸着濾過材を濾過装置に導入し、所定条件下で通水を開始する。
■汚染土壌、廃棄物不溶化処理
土壌、廃棄物と不溶化材の均一な混合が求められる為、現場施工機械を用いた試験施工を行い、混合条件を設定する。
混合条件下で混合を行い工事仕様に基づき一定頻度で不溶化効果の確認を行う。
■汚染土壌吸着層処理
吸着層母体土と吸着材の均一な混合が求められる為、現場施工機械を用いた試験施工を行い、混合条件を設定する。
吸着層母体土を地下水層以上の施工場所に搬入し混合条件下で吸着材と母体土を混合し吸着層を形成する。
吸着層の品質管理を行う為に工事仕様に基づき一定頻度でサンプリングを行い吸着効果を確認する。
吸着層上部の対象汚染土壌を搬入し盛土を形成する。
③維持管理等
■汚染水処理
ろ過装置排出水に含まれる汚染物質濃度を定期的に測定し地下水基準に適合した状態が継続していることを確認する必要がある。
■汚染土壌、廃棄物不溶化処理
土壌汚染対策法に基づいた不溶化処理後は処理を行った場所の周縁の地下水の下流側に1箇所以上の観測井を設け、1年に4回以上地下水を定期的に測定し、地下水基準に適合した状態が2年間継続することを確認する必要がある。吸着層処理に関してもこれに準じた観測井での測定を必要とする。
④その他
不溶化材、吸着材は品質管理試験に合格したものを使用する。水濡れや流出を防ぐ為に雨水に暴露させない。
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