技術の特徴
①新規性
仮設材にて土留めを行う場合、近接した民家や埋設物などに対する土留め杭(鋼矢板やH鋼杭など)引抜時の
影響低減の決め手になる方法は無く、多くの現場で鋼矢板の残置がやむなく行われてきた。
また原則として仮設材の残置が認められない堤防工事においては、薬液注入や地盤改良での対策が検討されることが多いが、
構造上や費用面においての課題があり、特に有効な解決策が望まれていた。
②期待される効果
多種多様な地盤条件や引抜機械の違いがある条件下においても、高度に周辺地盤の沈下抑制効果を発揮することが出来る。
これまでの沈下計測結果に拠れば、引抜位置から2~3m離れた箇所においては、地盤の沈下は数ミリ程度にとであった。
③従来技術との比較等
残置に比べて、10~30%のコスト削減となる。
(鋼矢板Ⅲ型以上、リース期間6ケ月以内の場合)残置すると将来的な地中障害物となり、
その際の追加コストは多額になる場合も多い。
また残置ができない堤防工事などにおいては、従来技術は引抜前に薬液注入などで
周辺地盤への影響抑止を図る必要があり、そのコストは本工法の400%となる。(NETIS登録情報より)
技術の適用条件・適用範囲
施工方法について
その他の情報
①地盤条件や施工機械に応じた充填量の設定
実際の地盤は多種多様であり、最終的な充填量を決めてしまうすることは不可能である。
引抜後の空隙や周辺地盤の緩んだ部分にも充填材は回っていくので、その分の充填材の量を送る必要性がある。
現時点においては、油圧式杭圧入引抜機による施工の場合は鋼矢板の断面積の約4倍、
バイブロハンマーによる施工の場合は約3倍を標準充填量として計画し、現場において試験施工等の方法で妥当性を確認している。
今後も充填実績をデータベースとして蓄積していくことで、標準充填量をもっと細かに設定する予定である。
②発展性
1)本技術は特許権による制限はあるものの、その権利を許諾すれば技術移転は比較的容易に行うことができる。
よって、東南アジア諸国など、今後、日本と同様にインフラの更新ニーズが高まる国々においての国際的な展開が期待される。
(既に国際特許申請中)
2)既成杭の引抜時にも周辺地盤の沈下抑制にも技術移転が可能である。
3)近年、自然由来も含めた土壌汚染対策工事が実施されているが、汚染物質除去や浄化後に、
隣接地からの汚染物質の移動防止のため、遮蔽壁の機能を持つ本工法の採用実績が増えている。
市街地での施工が多い土壌汚染対策工事の土留め材引抜時の影響防止に加えての付加価値があり、期待される。
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