ジャイロプレス工法2024年3月29日時点

ジャイロプレス工法

技術の概要

①何について何をする技術なのか?
玉石混じり砂礫層や岩盤などの硬質地盤に鋼管杭を静荷重によって圧入施工する技術です。
②従来はどのような技術で対応していたのか?
硬質地盤オールケージング工+バイルハンマ工等で対応していました。
③公共工事のどこに適用できるか?
広い範囲の地盤において、護岸工、擁壁工、基礎工、土留工、井筒工、橋梁下部工、抑止杭などへの適用が可能です。
④その他
本工法は、先端ビット付き鋼管杭を回転圧入することにより、岩盤等硬質地盤はもとより、岩盤等硬質地盤はもとより転石や既設鉄筋コンクリート構造物などの地中障害物も切削貫通して杭を圧入しますので、無振動・無騒音など圧入工法の優位性を損なうことなく適用地盤の範囲を飛躍的に広げた鋼管杭の圧入工法です。
※圧入機ジャイロパイラーは、第5回ものづくり日本大賞(経済産業大臣賞)を受賞しました。
従来の硬質地盤オールケージング工による置換杭造成+パイルハンマ工による杭建込みといった2工程による方法では段取り違えが多く、また重機類を配置するために広大な作業スペースが必要となり、桟橋などの作業構台から施工する場合にはケージングの回転トルクや引抜力に耐えられる強固な作業構台が必要となり、結果として工期・工費が増大するといった課題がありました。
これに対して本工法では、圧入機ジャイロパイラーが圧入完了した杭に掴まって新たな杭を圧入施工するため転倒の危険もなく、省スペースでの施工が可能です。また、杭の圧入把持部を左右に傾斜できる機構を採用しておりますので、控え杭や前面支持杭など傾斜杭の施工も容易であり、杭径、杭配置など自由な組み合わせによって目的に応じた最適な杭の構造形式が選定できます。
さらに、杭材を搬送するパイルランナー、杭材を吊り込むクランプクレーンやパワーユニットなどの施工機械類を軽量コンパクトにシステム化したノンステージング(GRBシステム)工法の併用により、仮設レス化の達成とともに従来は困難とされた狭隘地や傾斜地での施工も容易です。

この技術の登録情報について

副題 先端ビット付き鋼管杭の自走式回転圧入工法
登録機関(過去に登録された機関も含みます) NETIS
登録区分 工法
工種分類 基礎工(鋼管・既製コンクリート杭打設工)
ICT技術の該当
開発年 2002年
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技術の特徴

①どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)
イ)完成した杭の引抜き抵抗力を反力とし、先端ビット付き鋼管杭を
回転させて圧入します。

ロ)鋼管杭を把持するチャック部を、圧入機本体に対して
左右に傾斜できる機構としています。


②期待される効果は?
イ)によって、
・玉石層や岩盤など硬質地盤はもとより、既設鉄筋コンクリート構造物など
地中障害物も貫通して杭を圧入できます。
・杭の偏芯や変形が抑止され、信頼性の高い高精度な施工が可能です。
・圧入工法の優位性(無騒音、無振動等)に加え、排土がほとんどなく
環境への影響は最小限に抑えられます
・機械が完成した杭を掴んで自走するため転倒の恐れがなく、
作業構台等の仮設も不要です。

ロ)によって、
・控え杭や前面支持杭など、傾斜杭の施工が容易に行えます。
・杭径、杭長、杭配列の自由度が高く、経済的で最適な構造形式が選定できます。
したがって、
既設構造物を解体撤去することなく連続的に回転圧入した杭は、
例えば擁壁の基礎部と躯体部を同時に完成できます。
このため、本工法による構造物は、従来のフーチング構造によらなくとも
基礎と躯体が一体となったいわば「インプラント構造」として機能しますので、
工期の短縮・工費の縮減を図りながら新設構造物の構築はもとより
既設構造物の更新・機能補強が容易に行えます。



技術の適用条件・適用範囲

①自然条件
・土質条件:粘性土、砂質土、礫質土、玉石、岩盤のほか、
既設鉄筋コンクリート構造物などの
地中障害物にも容易に対応できる
(必要に応じて水循環システム(またはエアシステム)を併用することがあります。)
②現場条件
・狭隘地、水上、傾斜地、空頭制限地など特殊条件下での施工にも容易に対応できる
③技術提供可能地域
・技術提供可能地域については制限無し
④関係法令等
・騒音規制法、振動規制法 等


①適用可能な範囲
・杭径Φ500~2,500mmに対応
・傾斜角30°まで斜杭
②特に効果の高い適用範囲
・狭隘地、水上、傾斜地、空頭制限地などでの施工に威力を発揮
③適用できない範囲
・上記①以外の範囲
④適用にあたり、関係する基準および引用元
・土木工事共通仕様書第2編2-5-12鋼製杭および鋼矢板、同第3編2-4-4既製杭工
・出来形管理基準及び規格値1-52
・品質管理基準及び規格値1-236
・道路橋示方書・同解説Ⅳ下部構造編(H14.3)12.11.4鋼管杭
・土木工事安全施工技術指針
・ジャイロプレス(回転切削圧入)工法による鋼管土留め擁壁設計・施工指針
(国際圧入学会 H26.3)
等に準拠

施工方法について

施工手順は、
①ジャイロパイラー上部(リーダーマスト)を鋼管杭1本分スライドさせた状態で、
鋼管杭を建て込みます。
②鋼管杭の鉛直度および計画法線を確認し、計画レベル付近まで圧入します。
③打下装置を装着し、計画レベルまで圧入します。
④打下装置の上部を掴みます。
⑤鋼管杭の支持力を確認し、本体を上昇させ前進自走します。
⑥本体を下降させ、前進自走完了。打下装置を撤去します。
※以後、①~⑥の繰り返し

その他の情報

①設計時
・地質、岩盤により切削能力が変わるので事前の十分な調査・検討が必要です。

②施工時
・機械の組立、解体時には250㎡相当の作業スペースが必要
・降雪雨時、強風時に露天で鋼管杭の溶接作業は行わない、
また、気温が5℃以下の時は溶接を行わない。

・岩盤(必要に応じて水循環システム(またはエアシステム)を
併用することがあります。)

③維持管理等
・特になし

この技術を提供する会社の連絡先情報

会社名 ㈱技研製作所
担当者 佐藤慎一郎
郵便番号 135-0063
住所 東京都江東区有明3-7-18 有明セントラルタワー16F
電話番号 03-3528-1633
FAX番号 03-3527-6055
サイトURL https://www.giken.com

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