循環式ブラスト工法®2024年3月29日時点

循環式ブラスト工法®

技術の概要

①何について何をする技術なのか?
・耐摩耗性の高い金属系研削材を採用し、ブラストによって剥離された塗膜くずと使用した研削材を共に回収し、両者を選別したうえで研削材を循環再利用するブラスト工法である。
・研削材を循環再利用することで、その量に相当する産業廃棄物の発生を抑制し、環境負荷の低減を図ることができる。
・産業廃棄物の運搬、処理によって排出されるCO2も最小限に抑制できる。

②従来はどのような技術で対応していたのか?
・ガーネット・高炉スラグ等の非金属系研削材を使用したエアーブラスト工法。
・安価な非金属系研削材を使用して噴射した研削材は、1回の使用で破砕し、塗膜くずと共に産業廃棄物として処分していた。
・ 大量の産業廃棄物の発生に伴い、大量のCO2を排出していた。

③公共工事のどこに適用できるのか?
・鋼橋をはじめ防食対策を必要とする鋼構造物における素地調整に用いるブラスト工法として適用。

この技術の登録情報について

副題 研削材を回収・再利用するブラスト工法
登録機関(過去に登録された機関も含みます) NETIS (一社)日本建設機械施工協会:建設技術審査証明第2201号
NETIS登録番号 CB-100047-VE
登録区分 工法
工種分類 道路維持修繕工(橋梁補修補強工ーその他),橋梁上部工(鋼橋架設工ーその他)
ICT技術の該当
開発年 2006年
AD

技術の特徴

①どこに新規性があるのか?(従来技術と比較して何を改善したのか?)
1.研削材と塗膜くずを回収・選別して、研削材を再利用する循環再利用システムとしたこと。
2.研削材に耐摩耗性の高い金属系研削材を採用したこと。

②期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)
1.研削材を再利用することで、産業廃棄物の発生を大幅に抑制できる。
2.産業廃棄物の発生抑制に伴い、CO2の排出も最小限に押さえることができる。
3.旧塗膜にPCBや鉛が含有していた場合、高価な特別管理産業廃棄物の処理費用が最小限に抑えることができる。
4.耐摩耗性に優れ破砕しにくい研削材を使用するため、粉じんの発生が少なく、作業環境の改善が図れる。


技術の適用条件・適用範囲

①自然条件
処理面は、乾燥状態での作業となります。(従来技術と同等)
②現場条件
・剥がした塗膜くずが、飛散するので作業範囲は、シートなどの養生が必要。(従来技術と同等)
・機材の設置スペースを確認し、定置が困難な場合、車載式での日々回送を検討する必要がある。
③技術提供可能地域
47都道府県。遠隔地は、別途交通費、宿泊費が必要となる。
④関係法令等
特定建設作業の届出(騒音規制法 4条 空気圧縮機を使用する作業)が、必要。
(コンプレッサー使用のため)(従来技術と同等)
 
①適用可能な範囲
・鋼橋をはじめ防食対策を必要とする鋼構造物における素地調整程度1種(1種ケレン)を行う作業。(従来技術と同等)
②特に効果の高い適用範囲
・ブラスト対象がPCB含有塗膜の場合、高価な処理費用が抑えられ効果的。
③適用できない範囲
・ブラスト機械設備から施工場所が400m以上離れている場合。
・水中及び処理面が濡れている場所。(従来技術と同等)
④適用にあたり、関係する基準およびその引用元
・鋼道路橋防食便覧(日本道路協会)  
・労働安全衛生法(厚生労働省)
・廃棄物処理法(環境省)

施工方法について

『循環式ブラスト工法』
1.研削材の充填
ポッパータンクに金属系研削材を投入する。
2.ブラスト圧送
連続供給装置の圧力ゲージを調節し、圧送の準備をする。
3.噴 射
噴射ノズルから研削材を噴射させてブラスト作業を行う。
4.集 積
使用した研削材、塗膜くずを人力にて集積する。
5.吸 引
回収ホースにて集積した研削材と塗膜くずを吸引する。
6.分 離
回収した研削材と塗膜くずを選別装置で選別する。
選別された研削材は、ホッパータンクに溜まり連続供給装置に入って再利用される。
7.塗膜くずの処分
塗膜くずは、ダスト回収装置内のフィルターに付着し、自動パルスジェットにより下部のダストタンクに集積され 産廃処分となる。
吸引された空気は、フィルターで浄化されきれいな空気となって排気される。








その他の情報

①設計時
・労働安全衛生法等関係法令に基づく対策の必要性を確認するため、旧塗膜の成分を把握すること。
②施工時
・旧塗膜にPCB、鉛等有害物質が含まれる場合、労働安全衛生法等関係法令に基づく対策を講じること。
③維持管理等
・設備は、屋内保管とし、年次点検を実施する。
④その他
・設計及び積算に関しての歩掛労務費単価については、施工条件及び橋梁形式によって変更する。
・安全対策設備及び装備品は、発注者と協議の上決定する。
・塗替え塗装工程において、金属系研削材をショットピーニング用ショット(JIS G 0951)に入れ替えることで、鋼橋における疲労強度向上対策が可能となる。(エコクリーンハイブリッド工法 NETIS CB-180024-Aへの応用)

この技術を提供する会社の連絡先情報

会社名 ヤマダインフラテクノス㈱
担当者 深谷亘
郵便番号 476-0002
住所 愛知県東海市名和町二番割中5-1
電話番号 052-604-1017
FAX番号 052-604-6732
サイトURL http://www.eco-yamadapeint.co.jp

この技術に興味を持っている人はこんな技術にも興味を持っています。

技術名 概要 工種分類 会社名
CPDS SSI工法 SSI工法 FCRでは、株式会社ジェイアール総研エンジニアリングと業務提... 道路維持修繕工,道路維持修繕工,道路維持修繕工,トンネル工,河川海岸 FCR㈱
CPDS クイックデッキ クイックデッキ ①何について何をする技術なのか? 橋梁桁下、建築物の天井下... 仮設工,建築,橋梁上部工,道路維持修繕工,機械設備 日綜産業株式会社
左官アシスト工法 左官アシスト工法 ①何について何をする技術なのか? 農業用水路の補修工法の一... コンクリート工,共通工,道路維持修繕工 一般社団法人 コンクリート保全技術協会
CPDS RCガーデックス  土木用(1回塗り) RCガーデックス 土木用(1回塗り) ①何について何をする技術なのか? ・コンクリート構造物の表... コンクリート工,橋梁上部工,トンネル工,上下水道工,ダム 日本躯体処理株式会社
脱着トルク式アンカー(アンカーバード) 脱着トルク式アンカー(アンカーバード) ①何について何をする技術なのか? 仮設足場や橋梁高欄型枠等... 仮設工,道路維持修繕工 ㈱ANCHOR BIRDS